大学生の時に免除されていた国民年金保険料、追納すべき?
最も有名な日本の社会保障である国民年金
20歳以上の国民が保険料を納める必要があります。
しかし、大学生は保険料の納付の猶予を受けることができるわけですが、
猶予された保険料を後から納めるべきなのか、考察していきます。
注 本記事は日本年金機構が公表している令和3年度の情報を参考に作成しています。
年金制度とは
年金には3つ保険があります。
・老齢年金
・障害年金
・遺族年金
このうち老齢年金が一般人が”年金“と呼んでいる制度です。
年金は老後を豊かに暮らすために必要な社会保険です。
学生納付特例等の納付猶予とは
20歳以上の学生が年金保険料の納付を猶予してもらえる制度です。
猶予されたのち、後から納めるかは任意です。
ただし、追納しないと
猶予された期間は納付期間にはカウントされますが、
払わなかった保険料分、老齢基礎年金が減額されてしまいます。
所得制限があるので注意が必要です(128万円の壁)
なお、障害年金の受給要件の納付期間にはカウントされます。
もらえる老齢基礎年金 いくら減る?
老齢基礎年金の給付額の計算は
780,900 ×(納付した月数)÷ 480
猶予期間1年あたり2万円減額されることになります。
学生猶予制度を利用した場合、2~3年間の猶予期間があるので、
老後にもらえる年金が年間約4~6万円減少します。
後から保険料を納めることで、将来受け取れる年金を増やすことができます。
ざっくり3つの方法がありますが、対象者が限られるものもあるので注意してください。
追納の方法・メリット
猶予を受けた場合、10年以内であれば追納が可能です。
また、3年以内であれば、遅延金を払わずに追納できます。
追納すると将来もらえる年金が増えます。
また、追納した金額は社会保険料控除となり、住民税・所得税の計算から控除されます。
しかし、新社会人には、一気に40万円は大金です。
結論 私は追納しない
10年間で元が取れる計算です。
若い時の40万円の重み
若い時は、年収が低く、40万円の価値が相対的に高いです。
また、貯金も少なく、収入が減ったり無くなったりしたときの為の生活防衛資金を貯める必要があります。
投資で運用したら…
40万円を40年間、年利4%で運用した場合
40×(1.04)^40=192
65歳から85歳まで、毎年4万円引き出すことが可能です。
年利4%は保守的な運用ですし、平均年齢が約90歳なことを考えれば、投資の方が有利な気がします。
今後の年金制度はわからない
少子高齢化が進む日本において、今後の年金制度がどうなるか不確定です。
追納しても、想定していたよりも年金が増えない可能性もあります。
後からでも年金は増やせる
10年間追納が可能なので、30歳までは保留するのが吉でしょう。
保険料が上がっていますが、年収アップによる社会保険料控除の方が上回るのではないかと思います。
10年経過した後に、やっぱり年金を増やしたい!と思った場合、60歳以降の任意加入で補うことが可能です。
受給まで5年と期間が短いので、制度の概要を見極めて、お得であるのかどうか判断することができます
参考 他に年金を増やす方法
方法① 60歳からの任意加入
国民年金には、未納期間がある人向けに任意加入制度があります。
60歳以降に厚生年金に加入している人はこの制度を利用できません。
方法② 毎月の付加保険料納付
この制度は、国民年金第1号被保険者向けの制度です。
会社員は利用できません。
国民年金には、毎月の保険料に加えて、400円/月追加で納付することで
受け取れる年金を1年あたり 納付月数×200円 増やすことができます。
2年間で元が取れる計算になります。